【消費税】インボイス?なにそれ怖い(><)【2割特例】

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確定申告を終えてホッとしたのもつかの間。今度はいよいよインボイス制度(適格請求書等保存方式)の開始が近づいてまいりまして。ASPからも「インボイス制度に伴うお知らせ」だったり「適格請求書発行事業者登録のお願い」みたいなメールがちらほら届き始めましたね。

ネットやテレビで見かけることはあるけど、ぶっちゃけ良くわからん。って思ってる人多いんでないでしょうか。

ここで、ざっくりインボイス制度の話とアフィリエイターや転売・物販を副業とされている方がインボイス発行事業者に登録すべきなのかどうか、このあたりの話を書いてみようと思いました。

この記事はインボイス制度が始まる時点2023年10月1日で消費税の課税事業者ではない人に向けて書いています。
(ざっくり言うと2021年1月~12月の売上が1,000万円未満の方)

できる限りしっかり調べて書きました!間違ってるところあればドシドシ指摘してください。

目次

はじめに

はじpay

なんかメール届いたΣ(っ゚Д゚;)っヒッ

はじpay

先生っ!今度はメールで何か届きました!!
難しい言葉が並びすぎて怖いです!!!

ロボ先生

落ち着いてください。
ずっと前から言われてることですよ。
ASPからインボイス制度対応の連絡ですね。

簡単に言うと
「仕入税額控除を使いたいので、できれば適格請求書発行事業者登録してその登録番号を教えてくださいね。」
という連絡です。

はじpay

全然簡単に言えてないΣ(っ゚Д゚;)っヒッ

インボイス制度ってなんですか?!
適格請求書発行事業なんとかってなんですか?!
登録番号?!なんですか?!

インボイス制度とは

「インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除に関する制度において適用される適格請求書保存方式のことである。」

仕入税額なに?適格…え?なんなの?脳が拒絶する…マヂ無理…
とまぁ、そんな感じで難しい言葉並べられてよくわからん。

ってなりますよね?ぼくはなります。
できる範囲で簡単に説明しようと思いますので興味がありましたら一読ください。

まずは話の前提となる消費税の話。
消費税って普段から買い物してる時に支払ってるけど、税金なのに国に払ってないですよね。普通にお店に払ってますよね。所得税とかとはなんか違いますね?
これなんでかって言うと、買い物する度に個人が買い物した分を国に申告して消費税を納税しますってなると超めんどくさいし、みんなから細々払われても国もてんやわんやなるので、代わりにお店屋さんしてる人がお客さんから預かった消費税を1年分まとめて国に納めましょう!っていう仕組みなんです。
(こういう税金のことを間接税って言います。ちなみに所得税みたいに自分で確定申告して国に納税するやつは直接税。豆知識です。)

今回はここで言うところのお店屋さんの立場としての話を書きますので、消費税って普段は支払ってるところしか意識してないと思うんですけど、この記事を読むにあたり、副業で収入がある人はその収入があるのと同時に消費税を受け取ってるってところを意識して読んでもらいたいです。

文字で説明するとなんともイメージわかないので、消費税がどういう流れで国に納められているのかってのを図解も交えて説明してみます
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

消費税が国に納められるまでの流れ

↓がんばって作ったこの図解(使い回し)を見てください↓

消費税の納税の流れ

真ん中のバンザイしてるおじさんがあなたです。
①(受取る):商品を売ったりアフィリエイト収入が入ったりでお金を貰います。この時に消費税も受け取っています。
②(支払う):商品を仕入れたり、経費的な何かを支払う時には消費税を支払っていますよね。
③(納税):1年分まとめて①で受け取った消費税から②で支払った消費税を差し引いて出た金額を国に納めます。

③で国に納める時に①から②を引くことのことを難しい言葉で「仕入税額控除」と呼ばれています。

インボイス制度で何が変わる?

登録されてない人に払った消費税は仕入税額控除が認められない

インボイス制度で問題になるのは②についてです。
今までは消費税支払ったなら③の計算で全部引いてokでしたが、インボイス制度が導入されると、登録された事業者に対して支払った消費税じゃないと③の計算の時に引いちゃだめ!ということになります。

なんでそんなことするの?ひどくない??って思いそうなところですが、考えてみると、そらそうなんです。

消費税を納めているAさんは消費税納めてないBさんから100円(税込110円)の商品を仕入れました。
その商品をAさんのお客さんに150円(税込165円)で売りました。

こんな場合、Aさんは受け取った消費税15円から支払った消費税10円を差し引いて、5円の消費税を国に納めることになります。Bさんは消費税納めてないから何もしません。
最終的に150円(税抜165円)で物を売ってるんだから国に15円の消費税が入るべきところ、Aさんが5円おさめたっきりになっちゃって10円はBさんのポッケのなかに入ったまま。なんちゅうこんずら。(本来国に納められるべき10円がBさんの利益になっちゃってる状況のことを益税と表現したりします。豆知識です。)

登録するためには消費税を納める必要がある

そんなの別にインボイス制度なんて大げさな制度つくらなくてもよくない?って思いますけど、消費税納める人なのかどうか自己申告だとややこしいですよね、確かめる術もないし。なので消費税納めてる人は消費税納めてますよ番号をあげるので、請求書にその番号書いておいてね、その番号が書かれている請求書をもとに支払う人はチェックできますね。ちゃんと登録してる人に払ったものだけ仕入税額控除認めますよ。という仕組み。なので登録したい人は消費税納める(課税事業者に登録する)ことになります。

登録してない人には消費税分払われない?

じゃあどうなる?っていうと登録されてない事業者だと、消費税を納めるときに差し引きできない。なら消費税払いたくない!って当然なりますね。その流れで冒頭に書いたASPからのメールがちらほら届き始めてると考えられます。インボイス登録してね!って。これってつまり登録しないと消費税分払いませんよの布石(2023/03/17時点で問い合わせたところ、ASP各社が2023年19月以降、免税事業者に消費税分を払うかどうかの対応はバラバラ)⇒表にまとめました
ASPはそうやって事前に知らせてくれるからまだいいですけど、Amazonなんかで販売してる人だと同じ金額で出品してても買ってもらえない可能性が出てきます。

なら登録すればいいのでは…?
って当然なりますね。受け取れるお金が減ったり、お客さんが減ったりする可能性が解消されそうだから。

はじpay

あ~、完全にわかった。登録してきます。
それで今まで通りお金もらえるし!
2つめの「消費税を納めることになる」ってのがちょっと気になるけどよくわからないから無視します。登録します。

ロボ先生

ちょっと気になることほっとくと、大抵あとから問題になりますよ。
登録すべきかどうかもう少し考えてみましょう。

インボイスの登録事業者になるべき?

改めて書きますが、この記事は2023年9月30日時点で消費税の納税義務がない人に向けて書いています。
義務がない方は消費税を国に納めなくていいので、消費税受け取っても消費税支払っても特に何も気にせず、やりとりした金額全額で売上高や仕入高、経費なんかを計上していたと思います。なので消費税分お金もらえないと、受け取れる金額が減って困るわけです。売上を減らしたくないからインボイスに登録すればいいじゃんって思うわけです。

しかしインボイスの登録事業者になると、消費税の納税義務までおまけでついてきちゃうんです。そらそうですよねpart2なんですけどね。上で書いたそらそうなんですのお話を解消しようっていう制度なのでそうなるんです。
ってことは…?消費税分減らされずに受け取ったとしても、それ結局国に納税することになるんですね。なんのこっちゃです。
なんのこっちゃなんですけどちょっと待って。
この図解と③の計算を思い出してください。納税する金額は受け取った消費税から支払った消費税を引くんです。だからまるまるもっていかれるわけではないです。

はじpay

すごい。わかりそうでわからない。
貰えるけど払わないといけないならいらないんだけど!めんど!!

ロボ先生

ちゃんと最後まで読みましょ?
書いてある通り、受け取った額をすべて納税することにはならないですよ。
収入が10%減るぞ~!って騒ぎ立てる人がいてますけど、そうじゃないんです。
簡単な金額を使って場合分けして試算してみましょう。

計算とか数字大嫌い😖❗❗って方は下にワープ

インボイス制度に登録した場合の試算

〇前提条件

Aさん物販売上 4,400千円(税込)
仕入+経費 3,850千円(税込)
Bさんアフィリエイト収入 638千円(税込)
経費 110千円(税込)
Cさん物販売上 4,400千円(税込)
アフィリエイト収入 638千円(税込)
仕入+経費 3,960千円(税込)

〇インボイスに登録し、課税事業者になることで納めないといけなくなる消費税の金額

1.原則法

スクロールできます
AさんBさんCさん
①受取消費税4,400千円÷1.1×0.1
=400千円
638千円÷1.1×0.1
=58千円
(4,400千円+638千円)÷1.1×0.1
=458千円
②支払消費税3,850千円÷1.1×0.1
=350千円
110千円÷1.1×0.1
=10千円
(3,850千円+110千円)÷1.1×0.1
=360千円
③納付額400千円-350千円
=50千円
58千円-10千円
=48千円
458千円-360千円
=98千円
①と②は1.1で割って税抜金額にしてから消費税の額を計算

2.簡便法(物販は全て小売として計算)

スクロールできます
AさんBさんCさん
4,400千円÷1.1×0.1×(1-0.8)
=80千円
638千円÷1.1×(1-0.5)×0.1
=29千円
4,400千円÷1.1×(1-0.8)×0.1+
638千円÷1.1×(1-0.5)×0.1
=109千円
1.1で割って税抜金額にしてから消費税額を計算した後みなし仕入率(小売80%、サービス業50%)を除いた金額を計算
Cさんのように複数の事業をやっていて1種類の事業が全体の75%を超える場合は、その事業のみなし仕入率を全額適用することも認められています

お得な方で考えますんで、Aさんは50千円Bさんは29千円Cさんは98千円

↓原則法やら簡便法やらの少し詳しめの話はこっちの記事にて↓

〇インボイスに登録しないことで受け取れなくなる可能性のある金額

スクロールできます
AさんBさんCさん
①受取消費税4,400千円÷1.1×0.1
=400千円
638千円÷1.1×0.1
=58千円
(4,400千円+638千円)÷1.1×0.1
=458千円
1.1で割って税抜金額にして、0.1を掛けて消費税の額を計算

という感じで、インボイスに登録すると増える消費税の納税額、登録しないと減る可能性がある売上額、差引して登録した場合の得する金額を表にまとめました。

スクロールできます
AさんBさんCさん
登録すると
増える納税額
50千円29千円98千円
登録しないと
減る売上
400千円58千円458千円
登録すると350千円お得29千円お得360千円お得

freeeが試算サービス提供してました

結論(結論じゃない)

試算してみるとみんな登録した方がよさそうに見えますね!
…と、結論に急ぎたくなるところですが、実はちょっとまだ補足がありまして。

はじpay

結論出たやん…
いつまで続くん…頭疲れてきた…
もう登録させて…..

ロボ先生

最後に少しだけ補足です。
インボイス制度に関する特例がありますので、その説明をして終わります。

Twitterのお得界隈で多く見かける副業のうち、特に買取屋流しの転売をされている方とアフィリエイターの方に重要になってくるインボイス制度の特例がそれぞれありまして。それぞれ説明していこうと思います。

古物商特例・質屋特例

買取屋さんが利用できる特例です。古物商はインボイス登録事業者以外からの仕入についても仕入税額控除が利用できる。という特例です。
つまり転売されてる方で、売先のほぼ全てが買取屋である方についてはインボイスの登録事業者にならなくても、消費税分が減額される可能性が低いです。そうなると、インボイス制度に登録する必要はないのかなと思います。

ただ、どこかで買って、買取屋に売ってということをメインでされている方はそもそも売上高が大きすぎて既に消費税の課税事業者になってるんじゃないのかなぁと思ったりするので、ライトな転売屋さんだけの話になると思います。

参考:https://www.police.pref.wakayama.lg.jp/03_soudan/seian_todokede/documents/invoice.pdf

2割特例

免税事業者(消費税を納める義務のない方(2021年の売上が1,000万円以下))、インボイス制度に登録するために2023年10月1日から課税事業者となる場合に利用できる特例
受け取った消費税を計算して、経費が課税取引なのか判断して、支払った消費税を集計して、差額を計算して。みたいなのが大変なので、受け取った消費税だけ計算してその2割を納めてくれたらもうそれでいいですよという特例。令和5年10月1日~令和8年9月30日を含む課税期間で利用できます。簡易課税と同じような計算方法で、みなし仕入率を80%を使っていいよ。って感じです。
基本的に物販の方は簡易課税使った場合のみなし仕入率はそもそも80%or90%になるように思いますので、あまり意味がない特例ですが、アフィリエイターの方はみなし仕入率は50%なので、2割特例を使うことで30%分お得な感じになります。

2割特例を適用した場合の試算を追加でしてみると

3.2割特例

スクロールできます
AさんBさんCさん
4,400千円÷1.1×0.1×0.2
=80千円
638千円÷1.1×0.1×0.2
=11千600円
4,400千円÷1.1×0.1×0.2+
638千円÷1.1×0.1×0.2
=91千600円
税込の売上金額を1.1で割って税抜金額にしてから消費税の額を計算
その金額に2割特例の0.2を掛けた金額

こういう感じです。アフィリエイト収入にかかる消費税がすごく減るのでBさんはもちろん、地味にCさんも2割特例使った方が良い感じになりますね。これは物販とアフィリエイトの比率によって変わってくるので、ご自身の実績から試算してみてください!ちょうど最近確定申告したところでしょうしお手元の決算書からどうぞ!

結論

転売されている方のうちほぼ全てを買取屋さんに売っている転売屋さん(売上総額年間1,000万円いかないぐらいの方)を除き、インボイス制度には登録した方がいいのかなぁと思います。
特にアフィリエイトのみの方はインボイス制度に登録し、2割特例を活用してすこしでも収入減を防ぐのが正解な気がします。ただ、現時点では登録しなくても消費税相当分を支払ってもらえる可能性が残ってるので様子見が正解なのかも
…と思ってましたが、集まった回答を見るに、結構消費税相当額そのまま貰えるっぽい🤔

買取屋にスマホやゲーム機を投げながら、ちょっとアフィリエイトやってみてます。みたいな人はインボイス登録する必要なさそうですね🤔もしかしてお得界隈の副業勢は大半の人が登録する必要ない?🤔🤔

はじpay

結論が登録する必要ない…?(´・ω`・ )エッ?
試算とかいって計算式見せられたけど意味なくない??

ロボ先生

まだ施行前の制度ですからどう転ぶかわかりませんよ。
でも、勉強になりましたね!!

はじpay

なんか勉強させられた😖

(参考)各ASPのインボイス制度対応方針

気になって問い合わせてみました
「適格請求書発行事業者に登録しなかったら10月以降は消費税分減額されますか?」

スクロールできます
ASP回答
楽天アフィリエイト楽天アフィリエイト報酬は内税となります。
これは基本全てのパートナー様に適用されております。
適格請求書発行事業者かどうかで変わることはございません
Amazonアソシエイト決定次第、アソシエイト・セントラルのお知らせ欄へ掲載予定です。
随時、最新情報をご確認いただきますようお願いいたします。
バリューコマース適格請求書発行事業者の登録番号のご登録有無にかかわらず、
インボイス制度開始後も報酬の消費税取り扱いは
現状と同様に、報酬の中に消費税も含まれた形でお支払いします
A8.net返事は来てないが、2/20のお知らせに言及あり
消費税の免税事業者である個人の方などへの影響はございません。
もしもアフィリエイトインボイス番号取得の有無により、報酬支払額に違いが出る可能性がございますが 詳しくは改めて皆様へご案内いたします。
リンクシェア・ジャパン現在JASK(日本アフィリエイト・サービス協会)と協議を行いつつ顧問税理士等と検討を重ねております。
施行前の制度であり、不確定要素も多い為、税制改正大綱の内容を精査中でございます。確定後には、別途ご案内させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
afb現状、方針が確定しておりませんので、確定次第afbのサイト内にて告知いたします。
2023/03/22時点の問合せ結果
はじpay

減額しますって言い切ってるところはまだない(._.) φ メモメモ
メジャーどころが減額しませんって言い切ってる(._.) φ メモメモ

インボイスの発行事業者登録

eTaxからサクッと。(気が向いたら丁寧に説明書きます。疲れました)
顧問税理士おられる方は先生に丸投げしちゃいましょ~

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_shinei.htm


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この記事を書いた人

2020年から個人事業主として開業し青色申告に挑戦中。まだまだわからないことだらけなので、後輩の税理士先生に色々教えてもらいがち。せっかくなので情報共有したいと思いこのブログを立ち上げました。

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